はじめに
本書は、私がTwitterでたびたび見かけて気になっていた本。先日ようやく購入して読んでみた。
お絵描きと工作が大好きな娘の創造力を伸ばしてあげたい。そのために娘にどんな教育をすればよいのだろう。
そんな風に悩んでいた今の私にとって、すごく心に響く内容だった。
芸術教育の意義
表現にとっては、上手下手は二の次の問題です。その表現をとおして、心と心がかよい合うか否かが問題です。表現によって心がかよい合うということが、人と人とを結ぶ人間の絆を強めるのです。
絵をとおして、子どもの心を理解し、共感しあったり交流しあうことは、子どもにとっても大人にとっても、人間として、これほどの喜びはないはずです。表現は人間相互の理解を進め、人の尊さ、信頼感を育てます。ですから、「表現の教育」とは、子どもの心のなかに人間の尊さをきざみこみ、うち建てる教育のことであるといえます。
我が家の娘は3歳半ごろから、粘土、工作、お絵描きなど、手先を使って何かを表現することに夢中になりだした。
毎日毎日、真剣な表情で作品を生み出している娘の姿を見ていると「創造力をもっと伸ばしてあげたい!」という親心がわいてくる。
でも、本書を読んでみて、絵を描くことをはじめとした芸術教育の意義は、第一に豊かな人生を送るために最も大切な「心」や「人格」を形成することなのだとわかった。
その本質を見失ったまま芸術教育を推し進めると、子どもの心の荒廃に繋がりかねない気がする。
今後は、娘の作品をじっくり観賞しながら娘と対話することをもっと大切にしたい。
自分の表現が誰かの心に響いたとわかれば、大人だって嬉しい。その喜びを娘にも目一杯感じてほしいと思う。
技術ではなくイメージで
視覚、触覚、運動感覚などを総動員して、直接的な体験をとおした自然への認識は、感動に裏打ちされた生きた認識になっています。イモリを描こうとことばかけをすれば、目の前にあるのがイモリではなく、白紙の画用紙であろうとも、イモリの具体的な姿をありありとイメージして描くことができるのです。
四歳から八歳ごろの幼児期は、技術ではなく、描くべき目的としてのイメージがないから描けないのだということを第一に考えるべきです。
五感を使った体験のあとにうまくことばかけをして、そのイメージを絵に描いてもらう。
たぶん、これが理想的な絵画による教育なのだと思う。
最近、娘は虫捕りなどの自然体験のあとで、自らその体験を絵に描いていることがあった。
今後も、心が動いて思わず表現したくなるような体験の機会をたくさん作ってあげたい。
おわりに
本書を読んでお絵描き1つをとっても、こんなに注意すべきポイントがあるのか…と驚いた。
子育てについて勉強するほど、その奥深さがわかってきて楽しい。
・本人が楽しそうならOK
・熱中しているならOK
・受け身でなければOK
これまで、そんな感じにあまり細かいことは気にせずにやってきたけど、もう少し自分なりのこだわりを持って子育てする段階にステップアップしたい。
神経質になりすぎてイライラしてしまっては元も子もないので、自分のストレスにならない程度に。
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